
広島平和記念公園は、
1945年8月6日の原子爆弾によって破壊された広島の中心部に位置し、
二度とこのような悲劇が繰り返されないようにとの願いを込めて整備
された、広さ約12万平方メートルの広大な公園です。平和への祈りを
象徴する様々な慰霊碑やモニュメント、博物館などが点在し、国内外
から多くの人々が訪れる平和学習の場、そして市民の憩いの場となっ
ています。

主な施設・モニュメント
原爆ドーム(広島平和記念碑): 言わずと知れた、原爆の惨禍を伝える象徴的な建造物。爆心地に近いにも関わらず奇跡的に一部が残存し、世界遺産にも登録されています。
広島平和記念資料館: 原爆投下前後の人々の暮らしや被害の状況、核兵器の脅威などを伝える貴重な資料を展示しています。本館と東館があり、被爆者の遺品や写真、ジオラマなどを通して、原爆の悲惨さを具体的に学ぶことができます。
原爆死没者慰霊碑: 原爆で亡くなった全ての方々の霊を慰めるために建てられた、アーチ型の慰霊碑。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文が刻まれています。
平和の灯: 人類が核兵器を完全に廃絶する日まで燃やし続けられる炎。1964年に点火されました。
平和の鐘: 「とうーあん、ぴいー」という独特の音色を響かせる鐘。自由に撞くことができ、平和への祈りを込めることができます。
原爆の子の像: 原爆による白血病で亡くなった佐々木禎子さんの遺志を継ぎ、世界の子どもたちの平和への願いを込めて建てられた像。折り鶴が供えられています。
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館: 原爆死没者の氏名などを記録した名簿を保管し、遺影や遺族の証言などを展示しています。静かに祈りを捧げる空間です。
レストハウス: 原爆投下時、鉄筋コンクリート造りのため一部が残った建物を改修した休憩施設。地下室は被爆者の避難場所となり、現在も当時の様子が一部保存されています。
平和大通り: 公園の南側に位置する幅100メートルの緑豊かな通り。平和記念式典の会場となったり、様々なイベントが開催されたりします。

平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)
毎年8月6日には、原爆が投下された時刻に合わせて平和記念式典が執り行われます。国内外から多くの参列者が集まり、犠牲者の冥福を祈り、恒久平和への誓いを新たにします。
2024年の広島平和記念式典には、約5万人が参列しました。この人数は、2年連続で5万人となり、コロナ禍前の水準に戻っています。また、海外からも過去最多となる115カ国とEUの代表が参列しました。
訪問の意義
広島平和記念公園は、単なる観光地ではなく、原爆の悲惨さを学び、平和の尊さを考えるための重要な場所です。実際に訪れることで、書籍や映像だけでは伝わらない、言葉にできない感情を抱く人も少なくありません。核兵器の廃絶と世界の恒久平和への思いを新たにする機会となるでしょう。