鞆の浦は
広島県福山市鞆町にある美しい港町で、瀬戸内海国立公園に位置し、古くから潮待ちの港として栄えてきた歴史ある町です。その風光明媚な景色は万葉集にも詠まれ、江戸時代には朝鮮通信使の寄港地としても重要でした。現在も古い町並みが残っており、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。
歴史
- 古代: 万葉集に「妹背の浦」として詠まれ、古くから景勝地として知られていました。
- 中世: 瀬戸内海の海上交通の要衝として発展し、港には多くの船が停泊しました。
- 江戸時代: 潮待ちの港として大いに賑わい、廻船業や漁業が盛んになりました。朝鮮通信使の休憩地としても重要な役割を果たしました。
- 現代: 昭和初期には国立公園に指定され、その美しい景観が守られています。近年では、スタジオジブリの映画「崖の上のポニョ」の舞台のモデルの一つになったとも言われています。
主な見どころ
- 常夜灯: 鞆の浦のシンボルとも言える石造りの灯台。江戸時代後期に建てられ、今もその姿を残しています。
- 福禅寺対潮楼: 崖の上に建つお寺で、客殿からの眺めは「日東第一形勝」と称されるほどの絶景です。特に、満潮時には、海に浮かぶ弁天島や仙酔島などの島々が一望できます。
- 鞆の津の商家: 江戸時代から続く商家が軒を連ね、当時の面影を今に伝えています。中には公開されている建物もあり、当時の生活様式を垣間見ることができます。
- 阿伏兎観音: 鞆の浦から少し離れた場所にありますが、海に突き出した岩の上に立つ朱塗りの美しいお堂です。
- 仙酔島: 鞆の浦からフェリーで約5分の場所に浮かぶ島。五色岩や龍神橋などの自然豊かな見どころがあります。
- いろは丸展示館: 幕末に鞆の浦沖で沈没した蒸気船「いろは丸」に関する資料を展示しています。坂本龍馬率いる海援隊と紀州藩との間で起こった「いろは丸事件」について学ぶことができます。
グルメ
- 鯛: 鞆の浦は鯛網漁が有名で、新鮮な鯛を使った料理が楽しめます。特に、春から初夏にかけての旬の時期は格別です。
- 保命酒: 江戸時代から続く鞆の浦の特産品。16種類の薬草を配合した滋養強壮のお酒です。